NISAもはじまり、これまでなかなか投資信託と縁のな
かった方々も生活防衛の為、または生活費の足しに
と、投資信託を始められた方が多いのではないかと思
いますが、なにぶん証券口座を始めて開設し、金融商
品を買って始める投資信託の勝手がいまいち理解さ
れていない方も多いようで、各証券会社の窓口や、銀
行のリテール窓口では日に日に苦情を申し立てる方
が増えてきたそうです。
そこで今回から初めての投資信託購入でトラブルを
回避するために、よくあるトラブルをいくつかピックア
ップして解説していきたいと思います。
「そんな事は聞いていない!」とならないために。
今回はその第一回。
テーマは「毎月分配の誤解」です。
皆さんは投資信託を購入する際に、証券会社の窓口
で、ファンドセレクションのパンフレットの中から、気に
なるパンフレットをセレクトし、眺めると思いますが、そ
の表紙には「〇〇ファンド(毎月分配型)」と書いてあ
ると思います。
現在の投信商品の殆どがこの毎月分配型と呼ばれ
るもので、要するに毎月分配金が振り込まれるという
ものです。
具体的に言いますと、基準価格1万円のファンド
を買ったとして、毎月100円の分配金があれば、
年間にもらえる分配金の額は1200円になります。
現在の銀行預金金利が普通預金で0.02%くら
いですから、年間にもらえる配当が1万口で1200
円ならこんなおいしい話はないでしょう。
10万口なら12000円、100万口なら12万円です。
しかし買ったとき1万円で買ったファンドが1年後に
基準価格6000円になったらどうでしょう?
基準価格が4千円も減ってしまいました。
毎月配当が100円あっても、投信の基準価格が
4千円も目減りしてしまっては最終的に2800円の損に
なってしまいます。
これが毎月の高利回り配当に飛びついた方が勘違
いしてしまいやすい落とし穴。
毎月の配当と基準価格は別物として考えなくてはなり
ません。
毎月の配当が安定的でも基準価格は毎日変動します。
投資信託は元本保証のない金融商品。
実際に毎月の配当はあっても、基準価格が下がって口座
残高が元本割れするような事も可能性として十分に起こり
うるのです。
今一度、投資信託がリスク商品であることを十分に認識し
た上で購入を検討するようにしなくてはなりません。